余 談


見解:4-part MEMO of medical care

2010年12月
M.K.

望ましい医療人教育

チーム医療の重要性
医療人プロフェッショナリズム概説
2002/02 米欧内科学会 新ミレニアム医師憲章発表(ヒポクラテスの誓い見直し)
基本3原則
1.患者福利優先の原則 2.患者の自立性に関する原則 3.社会正義の原則 +具体的な10の責務
医療人プロフェッショナリズムとは
利他主義:患者の利益を最優先、専門職としての知識・技能を高いレベルで保つこと、社会的責任を果たすこと
医師の教育 主に知識と技能の習得、医師としての姿勢や倫理観は主に hidden curriculum として OJT で養われてきたのが現状、言葉で述べるのは簡単だが臨床現場では答えは一つではない
今後は hidden の部分を言語化し、より多くの教育現場に応用できることを目指す

2015年4月
M.K.

Living Will は何故普及しないのか?在宅死を増やせないのか?

人は自宅で豊かな死を迎えられるか
〜療養病棟での看取りの振り返りから〜
在宅死は理想でも困難な場合も多い
自験例
自院療養病棟
 1.がん末期患者は緩和ケアが重要 2.非がん患者は重症合併症多く疾患管理が必要 3.一人暮らし・夫婦二人暮らしが多く介護力が必要 4.認知症・意識障害合併が多く専門的介護が必要 5.ADLはベッド上が多く介護力が必要
両親介護経験 88歳父在宅看取り
 1.膵臓癌末期、ステント挿入+IVH+モルヒネ点滴 2.満足いく最後、母も悲しみ軽減 3.私が医師でなけれれば困難
91歳認知症の母の在宅介護断念
 1.転倒大腿骨頸部骨折 認知症悪化 2.リハ後在宅に戻る 1か月で断念 3.夜間2時間毎の排泄介助で心身とも疲労困憊
慢性期病棟が担う役割は在宅死も持つ価値(もっとも自分らしく)を補う、質の高い死QODを届けられる

2016年2月
M.K.

「女性医師のキャリア教育における学習目標とロードマップ」に対しての
「職業義務」「超義務」と社会・職場環境整備の重要性という意見を読んで

医学教育学会女性医師キャリア教育活動委員会の活動目的「医師が生涯を通じて医師としての職務の継続を過剰なエネルギーを必要とせずに可能とするため、すべての医師が修得すべき能力を明らかにし修得方法を明示する」
全ての医師がバーンアウトすることなく、自らの価値観により各自のペースでキャリアを継続していくこと
「継続的社会貢献」を医師の「超義務」ではなく「職業義務」と考える
「職業義務」は自己犠牲を前提としない
医師という専門職は自己実現が社会貢献につながる意義ある職業、職業に対する多様な価値観を受容する能力も重視、この多様性は医師としての職業倫理という枠を前提とするもの
社会・職場環境整備の重要性は教育と労働環境の整備はどちらが欠けても目標に向かって進むことはできないことを強調
キャリア教育は一律に正しいとされる職業観を教え込むことではない
「女性医師のキャリア教育における学習目標とロードマップ」特にロードマップは一つの提案、まだ発展途上であり教育現場で実行可能なロードマップの検討を

2019年1月
M.K.

「東京女子大学1970-1979卒投稿」抜粋 東京女子大学1972年文理学部社会学科卒

東京女子大学の正門に立ったのは17歳の春その佇まいの美しさに一目ぼれ、下関の男子高校(男子350名対女子15名)にいた私は女子大学に憧れた
入学後、大学紛争が本格化、女子大学で初めてのバリケードと週刊誌に取り上げられ休講状態、毎日大学で仲間と熱く議論
専攻は社会学科経済コース、卒論のテーマ「現代民主主義の再検討」
マスコミ業界で働きたかった、世間知らずですべての就職活動に失敗、ゼミの先輩に政治工学研究所に拾ってもらい
役所や政治家の政策立案のお手伝い、男女差別に一念発起、絶対的な国家資格取得目指すも公認会計士も弁護士も無理、親が医師だったので26歳で東京慈恵会医科大学入学
医師を選んだのはマクロとミクロの両方のアプローチができる、社会学・政治・行政の世界はマクロが主役、患者さんと接する時は一人一人を大事にするミクロの世界
30代は国立病院で先端医療、40代ではカンボジアでの国際協力、その後は医学教育、今は母の介護をしながら高齢者医療に携っている
医師にはブレない正義感 Justice が必須、この価値観は促成栽培が困難であることを医学教育の中で実感、東女キャンパスの中でよき仲間と過ごした日々が私に大事な根を植え付けてくれたのです。


見解:What is the future of Homo sapiens ?

2023年7月1日
FURUDONO Koichi

序章

二足歩行の人類による石器の発明から約300万年。
地質時代における現代の「人新生」という地層概念が示唆するものの核心とは、地球人口の制御が避けられないということかもしれません。

1章

文化は生きる意味、文明は生きる手段、経済は人々の生態ですが、生きることは、あらゆるButterfly effectが生じてる中にあり、それらは終りの無い無数のドミノ倒しの拡散している様で、なるようにしかならずに世界は変わります。
それでも人間は欲で行動し、善良と邪悪の間で揺れ動き、楽観と悲観の間で揺れ動きながら日々生きています。
文化は文明があることで成り立ち、人々の生態が調和した安定を保つには、思想に依るのではなく、全ての人々が受け入れる経済のあり方に依るしかありません。
その経済のあり方を見い出だせれば解があるのでしょうが、調和すべき人々の数が増えるほど難解となり、人々の能力を超えてしまいます。
このことは人々の紛争、戦争は決して無くなることがない事を意味しています。

2章

人間は生まれると全てを失う時間を消費し始め心身の劣化を含めて、高齢になるに従い、それらを手遅れだけれど自覚できるようになります。
医療の使命は不快の緩和にあって根治は達成できません。
自身による死の選択も人権の基本的権利のひとつとして含まれます。

3章

21世紀人間社会を空想、想像、妄想してみると、21世紀中に人間は人口を制御する可能性が大きいと思います。
それは人口を自在に操り、人間の培養・生産・育成をする国の出現です。
生命工学、遺伝子操作は既にそのレベルに到達していると思われます。
全ての生物の中で、唯一血統に拘る価値観を醸成してきた人間の価値観が、変わり消滅する段階に踏み込んだといえるのかもしれません。
ウイルス、微生物、植物、動物など全ての生物の中で、文明を存続の手段とした唯一の生物である人間は他の生物の様に生存環境に合わせ変化して存続するということを放棄したことで、致命的な弱点を抱え込んだようです。
そうすると、人間は文明に依存して存続するしか選択肢は無く、文明は種の存続を目的にはできず、個の存続の中に成果を得ることを目的にすることしか選択できない状況に追い込まれてしまうのでしょう。
また、21世紀中には LBGTQ の認知だけでなく、HARC ( = Human Android Robot Cyborg )が主要な社会構成要素として存在することになるのは確実と思います。
それは、
Human =人間そのものですが、計画生産された人間が多く存在する。
Android =脳の機能が高度な AI で置き換わり、人間の肉体機能の全てを働かせる。
Robot = AI により人間と同機能を有する機構を働かせる。
Cyborg =人間の頭脳が人間と同機能を有する機構を働かせる。
HARC ( = Human Android Robot Cyborg ) を2歳児レベル位から養育することが必要となり、社会性を体得した養育に必要な人格や知識を有する人間によって行うといった Society なのかもしれません。
HARC が主要な社会構成要素として存在する Society は災害・飢餓・紛争・戦争などによるのではなく人口抑制された文化的調和を見出だして、持続するものになるかもしれません。

4章

人々の生態である経済で大きな役割を担う通貨は、人間の偉大な発明のひとつで「文明」として重要なものですが、現代社会の様々な価値を表す物差しとして、どの様に価値を計るかを決めることは、時間の変化により計る価値も無数の要素が変数として関わるので難解です。
そのことは基軸通貨であれ、本位制であれ、変化する要素の関わりから逃れられず、現実的には人間の慣れで価値を計る手段(便宜的には通貨と呼ばれるもの)が変遷していき、その手段にデジタルデータ(いわゆる暗号資産とは全く違うものです)が取り込まれて価値を計ることの核心的要素として機能すると思います。
通貨は国家の経済状況データを反映して国による信用保障のあるデジタル通貨となり、それに加えて国家間の条約締結によるデジタル共通通貨が制定され、国際決済手段となっていくと思います。
そうなると二国間貿易から多国間自由貿易協定でのデジタル共通通貨から、更にデジタル基軸通貨制定機運が浸透していき為替市場を介さない国際金融決済として機能することになるかもしれません。5章

人間の社会秩序は全体最適か個別最適かという闘争の中にあって、その闘争はどちらが優位となっても結果として人間減少に向かうしかないのでしょう。

終章

言葉を緻密に使いこなせる人間は言葉によって嘘を生み出し、壮大な嘘の物語を創って継承しています。
そうした物語に頑なに従う獰猛な生物の人間は、少しのきっかけで狂乱に走り出す危険性を持っているようです。
人間の狂乱を察知した時に狂乱の渦から速やかに離脱することで、未来に向けて静かなる人間の存続を果たせるか、それは誰にも分かりません。
Homo sapiens は、この宇宙で在るのか無いのか自分でも分からないほどの存在でしかなく、この宇宙で常に生じ続ける数え切れない出来事の一瞬にすら関わってるのか関わってないのか分からない存在なのですから。


見解:What is the future of Homo sapiens?を読んで

2025年2月20日
Y.M.

人々がエゴに囚われ、他人に対する不信感で行動するなら、言われる通り経済、医療、人口問題、人間改造問題等、解決策はなく、袋小路に迷いこむことになるでしょう。

 何といっても、今行われている戦争がなくならないし、停戦しても恨みが残り、無限に続き、人が殺されていきます。殺人を伴う戦争はやってはならない。政治の力、経済の力(ディール)で解決できるとは思わない。

戦争をやらせない、終わらせる力は国民にあると思います。何のことはない、ロシア国民全員が「プーチンさん、人を殺してはだめだよ」と言えば、戦争は終わります。それだけのことです。権威主義国家といわれるロシアでも国民の声を気にして動いています。国民の声を気にするからこそ不正選挙をやらざるを得なくなっています。北朝鮮は朝鮮民主主義人民共和国、中国は中華人民共和国ということで、民主主義とか人民という言葉が入っています。面白い現象です。

 @人間(生命)尊厳の思想=「人を殺すことは絶対悪」「人を殺してはならない」ことを世界の大原則に置く。
 A目的は人間の幸福=組織は人間のためにある=「国家は国民の幸福のために」「学校は生徒の幸福のため」=「生命を手段化する思想」の打破。「お国のために」✖。
 B二元論の克服=「白か黒か」「敵か味方か」ではなく「お互い人間じゃないか」=「勝った負けた」ではなく「グーチョキパーのお互いさまの勝ったり負けたり」
 以上の3つの大原則を原点に世界を見直してみると、まったく違った世界像が見えてくるように思います。

 トランプが今世界を搔き乱していますが、これはアメリカの世界指導力の低下に対する焦りです。いずれアメリカ離れが起きて来ます。アメリカ一極支配の次の世界をどう作るか、これからが本番です。何を基準に世界を作るか今生きている我々の責任は重大だと思います。


見解:What is the future of Homo sapiens? へのY.M.さんの寄稿について

2025年3月13日
TAKA +

本論では近未来はHARCが社会構成要素として存在し
災害・飢・紛争・戦争とは異なる人口抑制された
文化的調和のもとに人間社会が持続するとの見解ですが

一方、Y.M.さんは人々のエゴにより殺戮を繰り返す現世界への憂いと
下記3つの原則から世界を見直すことで
@人間尊厳の思想
A目的は人間の幸福
B二元論の克服
負の連鎖を断ち切る人間社会への希望を述べておりました

ただ、本論終章にあるように、
我々はこの宇宙で有るか無いかの自分でもわからないほどの存在でしかなく
この宇宙で常に生じ続ける数えきれない出来事への関わりすらわからない
とすればこれまでの人類の継承の歴史から
壮大な嘘の物語を創って継承を繰り返すのではないでしょうか